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結論を先に言うと、日本では【有機JAS法によって有機認定を受けた食品のみ、有機(オーガニック)として表示し販売できる】。 逆に言えば、認定を証明する「有機JASマーク」を付すことが出来なければ「有機」や「オーガニック」の名称表示が出来ない。 またこれと紛らわしい表示をしてはならないと、定められています。(JAS法第19条の15) これは、JAS法(正式には《農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律》という)の下での「有機認証制度」が2000年に施行されたことにより、有機表示の仕組みが作られたことによるものです。 それまでは、有機農産物のガイドラインは、ありましたが、加工食品(焙煎コーヒーも加工食品です)については明確な定めは無く加工、流通など取り扱いが不明のまま「有機」と表示したり、消費者が誤認するような表示が入り乱れ、このことから国際的にも「コーデックス委員会※」の有機食品の表示基準というものが動き出し、日本でもこの進展を受けて、有機食品の第三者(登録機関)による認証の仕組みが確立され、規格の見直し改正を経て、今日の有機農産物(コーヒー生豆原材料)及び有機農産物加工食品(コーヒー焙煎豆)のJAS規格となりました。(正確には、この二つは「指定農林物資」に指定され、有機表示の際に、JASマークを必ず付すことが義務付けられています) ※コーデックス委員会は、消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的として、1963年にFAO(国連食料農業機関)及びWHO(世界保健機構)により設置された国際的な政府間機関であり、国際食品規格(コーデックス規格)の策定等を行っています(日本は1966年より加盟)。 |
登録機関名が 必ず入ります キリマンジャロの耕作 エルサルバドル カルメン農園 コーヒーチェリー |
自家焙煎珈琲豆の店「彩香房」房主:杉浦壽偲
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d■「有機(オーガニック)」という表示■b 有機であるからには、表示規定に従わねばなりません! |
d■「有機コーヒー」似て非なる表示■b 「無農薬コーヒー」「無化学肥料栽培コーヒー」など・・・・ 安易な優良誤認表示! |
有機農産物と言うと、何もコーヒーに限ったことでなく、むしろ巷では「有機トマト」「有機米」などの表示がある身近な有機農産物が真っ先に思い浮かびます。 これらの有機農産物は、日本で有機農産物の生産行程管理者として「有機JAS認証」を取得した圃場(農場)で農産物を栽培し、国内で出荷されている農家がほとんどなので当然です。しかし有機の認証を取得している圃場の農家は、古くからの慣行農家をも含めると極めて少ないと言わざるを得ません。
コーヒーも、原産各国栽培エリヤを総括すると、ほぼ一年中どこかで収穫される農産物ですが、「JAS有機」の認証を取得した農園は、やはり決して多くは無く、しかも焙煎加工したレギュラーコーヒーで、「有機コーヒー」を表示する格付商品となると、さらに少ないのが現状になります。
さて、コーヒーは、原材料(生豆)のまま、食することは普通ありません。このため、焙煎という加工のあと、焙煎豆のまま(あるいは粉砕して)袋詰めされ、お客様のお手元にお届けします。 「有機JAS認証の珈琲豆」ということに限って表示、あるいは商品説明を検証すると、最終商品に「有機性の保証」が認証という形で、表示されないまま、有機JASマークが付されていない焙煎豆であるにもかかわらず、有機加工食品と誤認されるような紛らわしい表示、表現があるのに気づきます。
「有機○○」と表示できないがために「無農薬コーヒー」「無化学肥料栽培コーヒー」など、通常の野菜などでも見られる誤認表現は、皆無ではありません。 このような表現をされているロースターさんは、原材料生豆の仕入れ時点では、JASマーク付の有機コーヒー生豆を使っての焙煎をされている方だとは思いますが、これは悪意は無くとも、決してスルーできる問題ではありません。 あくまで、有機のJAS認証の格付が保証されるのは、生豆の仕入までで、仕入れ時の有機性の確認と加工行程管理の有機認証の取得がなされていなければ、有機、オーガニックを連想する表現は避けなければなりません。
※なお、「有機JAS認証生豆を原材料に使用しています」という加工に至る過程のコメントは、可能とされています。
(当、自家焙煎珈琲豆の店「彩香房」では、JAS有機認証取得まで、原材料に有機生豆を使った焙煎豆の場合は、この表現を使い、お客様に説明をしておりました。)
ただし、コーヒー豆販売店の中には、上記の表現をしておきながら、珈琲豆の商品名に「オーガニックコーヒー」「オーガニックブレンド」「有機JAS認証・オーガニック100%」のような冠名称を表示しておられるお店があります。 このような表示は、優良誤認を招き禁止されております。(JAS法19条の16、24条、表示違反対応と罰則)
消費者は、有機認証のJASマークと共に、確かな認識の下に、正式な「有機コーヒー」をお求めいただきたいと思います。
◎【原材料が有機JAS認証生豆であっても、焙煎豆が有機のJAS認証の格付がされているとは限りません!】
「無農薬」「無化学肥料」表示は、消費者が一切の残留農薬等を含まないとの間違ったイメージを抱きやすく、イコール、有機・安全というような、優良誤認を招くため、表示禁止事項となります。 通常の農産物においては、「減農薬」「減化学肥料」表示は、削減の比較基準、割合及び対象(残留農薬なのか使用回数なのか)が不明確であり、消費者にとって曖昧で分かりにくい表示とされてます。 コーヒーの場合は、海外の農園での栽培についての表示ということになりますが、たとえばJAS有機の技術基準をクリヤしない(認証を取得していない)海外の基準による有機認証についても、日本での有機性は、認められないので、「海外有機」「○○国認証有機」のような表示は出来ません。 また、これを有機原料生豆として使用し焙煎しても、出来上がった焙煎豆にJAS有機の格付は出来ないことになっています。 このように「有機」であることの表示は、大変厳格なJAS認定の技術的基準により規程されているのです。
(特別栽培農産物に係る表示ガイドラインQ&A参照)
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/tokusai_qa.pdf